2012年 09月 03日
ムロージェクはなぜ逃げたのか? |
ポーランド共和国の政治状況や一般市民の生活に起きていることを見聞きしたり読んだりしている。めったに声を上げない一握りの賢い人々(と政府要人)を除けば、優位を占めているのは公務員の愚鈍さと、ありきたりの貪欲さ、縁故主義などである。メディア(賢い方の)はわが国のバカげた法律や規則をしょっちゅう暴露する。
だからこそ考えてしまうのだ、この国でだれひとり次のような質問をしないのはどういうことかと。
30年の国外暮らしのあと、ようやく帰国したスワヴォーミル・ムロージェク Sławomir Mrożek [ポーランドの作家] が、すぐさまより広い世界(具体的にはニース)へ逃げ出したのはなぜなのか?
だって彼はクラクフ市からすばらしい住居を提供され、仕事も休息もできる環境が整っていた。なのにそのすべてをうち捨てて、国を出てしまったのだ。
メディアで彼の出国の理由をつきとめようとする者はいなかった。時事評論家も、政治家も。というわけで俺がこれを説明してみることにしよう。
厶ロージェクは自由主義の国に戻り、かつてのバカさ加減からも解放されたと考えていた。だがそれは間違いだった。互いの首につかみかかろうとする愚か者たちをもう見ていられなくなった。マチェレヴィチやカチンスキやジョブロやレッペルやギェルティフといった政治家ども [いずれも保守ごりごりのカトリック原理主義者]、その他、自分は賢いとうぬぼれる田舎者たちの意見が聞くに堪えなかったのだ。
次から次へと起きるこうしたスキャンダルに吐き気を覚え、さっさとスーツケースに荷物を詰めこみ、妻とともに静かな場所へと逃げ出したのである。
だからこそ考えてしまうのだ、この国でだれひとり次のような質問をしないのはどういうことかと。
30年の国外暮らしのあと、ようやく帰国したスワヴォーミル・ムロージェク Sławomir Mrożek [ポーランドの作家] が、すぐさまより広い世界(具体的にはニース)へ逃げ出したのはなぜなのか?
だって彼はクラクフ市からすばらしい住居を提供され、仕事も休息もできる環境が整っていた。なのにそのすべてをうち捨てて、国を出てしまったのだ。
メディアで彼の出国の理由をつきとめようとする者はいなかった。時事評論家も、政治家も。というわけで俺がこれを説明してみることにしよう。
厶ロージェクは自由主義の国に戻り、かつてのバカさ加減からも解放されたと考えていた。だがそれは間違いだった。互いの首につかみかかろうとする愚か者たちをもう見ていられなくなった。マチェレヴィチやカチンスキやジョブロやレッペルやギェルティフといった政治家ども [いずれも保守ごりごりのカトリック原理主義者]、その他、自分は賢いとうぬぼれる田舎者たちの意見が聞くに堪えなかったのだ。
次から次へと起きるこうしたスキャンダルに吐き気を覚え、さっさとスーツケースに荷物を詰めこみ、妻とともに静かな場所へと逃げ出したのである。
by nagamimi_2
| 2012-09-03 23:55
| 日々