2011年 10月 09日
選挙 |
おたがいにだれに投票したのかは訊かなかった。そのほうがいい。だっていつも俺たちはバルでいっしょにビールのジョッキ片手に楽しく冗談を言いあっているのだから。それを政治観が異なる(かもしれない)からといってぶちこわしたくはない。ポーランド人は政治を感情的に扱いすぎるあまり、酔いが覚めてしまうことがある。そのために友情が損なわれることもある。でもかりにアダムが誰に投票したのかと訊いたら、俺は『狂人』にと答えていたことだろう。狂人って? パリコト Palikot だよ!
そう、俺は市民プラットフォーム(PO)を支持してはいるが、PiS(法と正義)には正直うんざりで、POかPiSか、PiSかPOか、といった押し合いへし合いはもうたくさんだ。パリコト運動(RP)は意外にも選挙の敷居を大幅に踏み越えて、国会で第3の政治勢力となっている。POが勝つだろうが、そうなるとパリコト運動との連立は興味深く、国を活気づけるかもしれない。
狂ったパフォーマーの意見を持つこの男パリコトはいいアイデアを持っている。ただそれをいっしょに実現する人がいない。彼は大変野心的だ。野心的すぎると言ってもいい。だからPOの後見は害にはならないだろう。
ともかくなるたけPiSとPiS党員と教権主義者から遠く、彼らの神と祖国を持ち上げる感情的傾向、サーベルをがちゃがちゃいわせて時代遅れのスローガン「神、名誉、祖国」を叫ぶことから離れることだ。あるいはPiSから分かれた党の名称「ポーランドが最重要」そのものから。
俺にとって最重要なのは、しかるべき稼ぎのある仕事、安全な生活、良い住居だ。神様は天からそれを俺に送ってくれるわけではないし、名誉がそれを保証してくれるわけでもない。ポーランドはまったく最重要ではなくて、いちばん重要なのは人間だ!
by nagamimi_2
| 2011-10-09 23:55
| 日々