2010年 09月 12日
フィデルの脳の変化 |
アメリカの「The Atlantic」紙の記者、ジェフリー・ゴールドバーグ Jeffrey Goldberg はフィデル・カストロ Fidel Castro との宴席で、「あなたが一生涯守ってきた体制は諸外国のモデルとして耐えうるでしょうか?」という質問に対してキューバの独裁者が「キューバの体制はキューバにおいてさえもやは機能していない」と簡潔に答えたとき、茫然自失した。
3年前食道手術によって命を救われたフィデルが、サラダ菜と魚とオリーブ油に浸したパンを飲み込む様子を観察するのに忙しかったゴールドバーグには、この言葉の意味がすぐにはつかめなかった。
だがそれを理解したとき、フィデルが国の改革を弟ラウルの手に任せることが明白になった。
1日前、メディアはゴールドバーグのすぐあとにこう伝えた。フィデル・カストロはイラン大統領の反ユダヤ主義を批判し、イスラエルの承認を勧め、ホロコーストの犠牲者としてのユダヤ人に敬意を表すると。
フィデルを父と呼び、マフムード・アフマディーネジャードを兄弟と呼ぶベネズエラ大統領ウゴ・チャベスも当惑し、1週間後にベネズエラ国内の少数民族ユダヤ人の代表者と会見することを直ちに発表した。
独裁者の年取った頭の中で考えが変化しているのだが、ただこんなにも遅いのが残念だ。貧困と屈辱と迫害の50年間を過ごしたキューバ人にとっては、どう考えたって遅すぎる。とりわけ、彼らの多くは変革まで生きのびることができなかったし、できないだろうから。
イルカ館を訪問したときのフィデル・カストロとジェフリー・ゴールドバーグの会話は俺を憂鬱に楽しませた。独裁者は記者に、館長のギレルモ・ガルシアに質問するよう促した。
「彼にイルカについて尋ねてごらんなさい」
「何を訊けばいいんです?」
「あなたは記者なのですからどうか知的に訊いてください」とカストロ。
「とはいえ何でも構いません、どうせ彼はイルカのことなど大して知りはしない。核物理学者なのですから」
「本当に? ではどうしてここで働いているんです?」
「彼にここを与えたのですよ、原子爆弾を作らないようにね」
カストロは大笑いしてこう締めくくった。
3年前食道手術によって命を救われたフィデルが、サラダ菜と魚とオリーブ油に浸したパンを飲み込む様子を観察するのに忙しかったゴールドバーグには、この言葉の意味がすぐにはつかめなかった。
だがそれを理解したとき、フィデルが国の改革を弟ラウルの手に任せることが明白になった。
1日前、メディアはゴールドバーグのすぐあとにこう伝えた。フィデル・カストロはイラン大統領の反ユダヤ主義を批判し、イスラエルの承認を勧め、ホロコーストの犠牲者としてのユダヤ人に敬意を表すると。
フィデルを父と呼び、マフムード・アフマディーネジャードを兄弟と呼ぶベネズエラ大統領ウゴ・チャベスも当惑し、1週間後にベネズエラ国内の少数民族ユダヤ人の代表者と会見することを直ちに発表した。
独裁者の年取った頭の中で考えが変化しているのだが、ただこんなにも遅いのが残念だ。貧困と屈辱と迫害の50年間を過ごしたキューバ人にとっては、どう考えたって遅すぎる。とりわけ、彼らの多くは変革まで生きのびることができなかったし、できないだろうから。
イルカ館を訪問したときのフィデル・カストロとジェフリー・ゴールドバーグの会話は俺を憂鬱に楽しませた。独裁者は記者に、館長のギレルモ・ガルシアに質問するよう促した。
「彼にイルカについて尋ねてごらんなさい」
「何を訊けばいいんです?」
「あなたは記者なのですからどうか知的に訊いてください」とカストロ。
「とはいえ何でも構いません、どうせ彼はイルカのことなど大して知りはしない。核物理学者なのですから」
「本当に? ではどうしてここで働いているんです?」
「彼にここを与えたのですよ、原子爆弾を作らないようにね」
カストロは大笑いしてこう締めくくった。
by nagamimi_2
| 2010-09-12 23:58
| 日々