2010年 02月 25日
クジラとオキアミ |
いまテレビでオキアミの群れを探すシロナガスクジラのドキュメンタリーを観ているところだ。カメラマンはオキアミ10数匹を手にのせてアップで見せていて、俺は可笑しみと嫌気を覚える。と同時に、70年代に共産主義政権がポーランド国民にこの忌々しいものを食べさせようとしていたことを思い出す。
〈一時的食糧不足〉、なにより肉不足が一般的だったあの時代、だれかがそんなアイデアを思いついたのだ。新聞やテレビで一連のキャンペーンを行い、オキアミとは何か、いかに膨大なタンパク質源が北の海に泳いでいるかを国民に言い聞かせていたことを憶えている。そのとき俺はこの北極圏のプランクトンの名を知ったのだ。
政府は我々国民に、いわば無尽蔵のプランクトン資源を大量に獲り、それを食べられる料理に加工して、オキアミで国民を養う、という計画を物語ってくれたわけだ。
それに関して俺は様々な疑義を抱いていた。第一に、我々に提案されたごちそうの栄養価と味について、第二に、オキアミ群が無尽蔵の資源だということについて。3500万人の国民を養うには、オキアミ群を撲滅しかねないと思ったのだ。そうなったらクジラその他の海の生物たちは何を食べればいいのだろうか?
無論その時代の他のあらゆるすばらしい計画同様、しばらくするとこの件は静まり、自然死を迎えた。このことを憶えている人がほとんどいない理由は知らないが、少なくともコントではこの話を利用することができるだろうに。
〈一時的食糧不足〉、なにより肉不足が一般的だったあの時代、だれかがそんなアイデアを思いついたのだ。新聞やテレビで一連のキャンペーンを行い、オキアミとは何か、いかに膨大なタンパク質源が北の海に泳いでいるかを国民に言い聞かせていたことを憶えている。そのとき俺はこの北極圏のプランクトンの名を知ったのだ。
政府は我々国民に、いわば無尽蔵のプランクトン資源を大量に獲り、それを食べられる料理に加工して、オキアミで国民を養う、という計画を物語ってくれたわけだ。
それに関して俺は様々な疑義を抱いていた。第一に、我々に提案されたごちそうの栄養価と味について、第二に、オキアミ群が無尽蔵の資源だということについて。3500万人の国民を養うには、オキアミ群を撲滅しかねないと思ったのだ。そうなったらクジラその他の海の生物たちは何を食べればいいのだろうか?
無論その時代の他のあらゆるすばらしい計画同様、しばらくするとこの件は静まり、自然死を迎えた。このことを憶えている人がほとんどいない理由は知らないが、少なくともコントではこの話を利用することができるだろうに。
by nagamimi_2
| 2010-02-25 22:50
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