2009年 05月 01日
共産主義経済の不条理(多くのうちの一つ) |
自由主義経済のポーランドでは、国営だろうと民営だろうと、各会社は自力で直接外国から原料を仕入れ、自社製品を販売することができる。現在ではこれが普通である。だが共産主義政権時代には貿易局というものがあり、これなしには外国とのいかなる契約の締結も絶対に不可能だった。この局の仕事には人々が殺到していて、ここに職を得るには「後ろ盾」を持ち、党(PZPR=ポーランド統一労働者党)に所属していなければならなかった。この仕事は外国出張と外国との連絡、ならびに、より大きな世界と外貨との接触が関連した大きな特権であった。しかし現在ではこれがひじょうに有害な泥棒機関であったことがわかっている。
なぜ社会主義経済は正常な世界で見込みがなかったか、親愛なる日本人読者にわかるように、この機関の活動のひとつを説明しよう。例えば、国営大企業が製品を作るのに必要な原料は西側からしか入手できないが、各企業は原料が必要になるたびに毎回、貿易局に願い出なければならなかった。貿易局の報酬は締結された契約価格によって決まったから、局の利益のためになるたけ高く(!)購入するのである。この方法で代金を支払いすぎ、貿易局では高価格が喜ばれ、購入側の大小企業はすっからかんになり、貿易局の役人どもは高いボーナスを受け取っていた。貿易局の利益のためには、企業(と国家)の利益はどうでもよかったのだ。企業のために活動すべき機関だったのに。
なぜ社会主義経済は正常な世界で見込みがなかったか、親愛なる日本人読者にわかるように、この機関の活動のひとつを説明しよう。例えば、国営大企業が製品を作るのに必要な原料は西側からしか入手できないが、各企業は原料が必要になるたびに毎回、貿易局に願い出なければならなかった。貿易局の報酬は締結された契約価格によって決まったから、局の利益のためになるたけ高く(!)購入するのである。この方法で代金を支払いすぎ、貿易局では高価格が喜ばれ、購入側の大小企業はすっからかんになり、貿易局の役人どもは高いボーナスを受け取っていた。貿易局の利益のためには、企業(と国家)の利益はどうでもよかったのだ。企業のために活動すべき機関だったのに。
by nagamimi_2
| 2009-05-01 21:00
| 歴史